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日別アーカイブ: 2022年4月12日

営業途中で

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今日はいつもお世話になっているお客様のところに挨拶回りをしていたのですが、回ってる途中に勇ましいわんこがいたので可愛さとあまり写真を撮らせてもらいました。

あるバイトの気まぐれ樹木紹介(ワシントンヤシ編)

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道路脇等に、背の高いヤシの木が生えているのを見つけたら、大概はこのワシントンヤシである。

ヤシの木といえば、ヤシの実が生り、ココナッツジュースが飲めるアレを想像するであろうが、アレはココヤシという、ワシントンヤシ別種のヤシである。

私が子どもの頃、ヤシの実というのは憧れの存在だった。あの実を採って、ストローを刺してジュースを飲んでみたかった。
きっととても甘い、フルーティーな味がするのだろう。

ココヤシは日本では全く見かけないが、ワシントンヤシならあったので、私はあれにヤシの実が実るのだろうとずっと勘違いしていた。

大人になってからヤシの実にストローを刺した、まさしくココナッツジュースを飲んでみたが、思ったほど甘いわけでもなく、少し風味のついた水といった感じだった。
子どもの頃のワクワクは、この1杯とともに消えたのだった。

さて、ワシントンヤシの話に戻るが、「ワシントン」というのは、アメリカの初代大統領の名前から来ているようである。
その全長は15mから20mにもなり、かなりの高さになる。

高さがあるということは、手入れもそれなりに骨の折れる作業になる。
大里造園では、巨大クレーン車でゴンドラを吊ってもらい、それに乗って剪定をするという方法をとっている。
これがまあほんとに恐ろしい。
風など吹こうものなら、安全帯をしていても頼りなく、作業の手を止め、手すりを掴み、子鹿のようにぶるぶる震える他ない。
もし落下でもすれば、骨が折れるどころでは済まない。

私の夫などは、観覧車などの高い所が苦手なのだが、このゴンドラには涼しい顔をして乗っている。
いや、内心怯えているのかもしれないが、仕事ならばと割り切っているようだ。
これに乗れて、観覧車に乗れないというのは、どういった心理なのだろうか。
どちらも必ず安全であるとはいえないが、観覧車の方がまだマシに思える。

と、このように、背の高い樹木なども剪定できるので、ご家庭で手の届かない樹木の剪定をしたい時は、ぜひ大里造園にご依頼願いたい。

あるバイトの気まぐれ樹木紹介(アメリカガシワ編②)

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さて、前回の続きの話である。

ゼミの先生の元に葉を持っていった私は、「この葉からDNAを取り出して、樹種を同定することはできますか?」
と尋ねた。

すると先生は、「少しお金がかかっちゃいますが、できますよ。それを卒業研究にするなら、ゼミ費から出せるよ」
と私の言いたかったことを先回りして提案してくださったのだった。

そういうことなら有難くゼミ費を使わせて頂くことにして、私の研究テーマは「謎の樹木の正体をDNAから暴く」に決まった。

元々アメリカガシワを知っている人からすると謎でもなんでもないのだが、当時の私には未知の樹木に見えた。
このように、知りたいという好奇心が私を掴んで離さなくなってしまったのだった。

さて、DNAの取り出し方だが、工程が複雑で記憶が曖昧なため、覚えている範囲で書いていく。
まず葉をすり鉢で粉々に砕く。これは細かければ細かいほど良い。
砕いた葉を何やら透明な液体に入れ攪拌し、網目の小さなメッシュでこす。
こしたらまた攪拌機に入れる。これをもう一度繰り返したような気がする。
もうただの透明な液体にしか見えないが、本当にDNAが取れるのだろうか?

そこへ、エタノール(だったと思う)を液体の2倍くらいの量入れ、しばらく待つ。
すると、何やら白いフワフワしたものが浮かび上がってきたではないか。

これがDNAである。
こんなモヤのようなものに、生命の設計図が詰まっているのかと思うと神秘を感じた。

その後、北海道にある科学研究所に取り出したDNAを送った。
ここで少しお金がかかってしまうのだ。確か5000円程だったと思う。

しばらく待つと、塩基配列がびっしり並んだメールが送られてきた。
どのようにしてあのモヤを塩基配列に変換したのかは不明だが、たった4つのアルファベットの組み合わせ次第でどの生物か区別できるだなんて、本当に不思議だ。

この塩基配列を、インターネット上にあるデータバンクに入力した。
すると、ズラっと英語が並び、よく見ると何かの学名のようであった。
なるほど、データバンクには学名で登録されているのか。

納得した私は、1番上に表示されている「Quercus palustris」という文字をコピーし、Googleの検索欄にペーストした。

……そこには、私が見た樹木そのものの写真が載っていた。
それは、ピンオーク、和名アメリカガシワという名前だと分かった時、とんでもない達成感に包まれた。やはりブナ科というのは間違いではなかった。
紅葉するということも知り、その時の美しさは尋常でない。

好奇心が満たされるというのは、こういうことか。
後にも先にも、これ程スッキリとした事はなかったと思う。

結果、少しの悔しさと好奇心からDNAを取り出すまでに至った私の研究は、ゼミ生から面白いとして選ばれ、発表会の大トリを飾った。

長々と語ってしまったが、それ程までに思い出のある樹木なので許してほしい。
私は今でもアメリカガシワが大好きだ。

しかしあの発表会直後、この短大1番の古株である先生から、「あのピンオークは40年くらい前に、自分が余っているものを適当に植えたものだ」と聞き、この人に尋ねれば一発だったのでは……適当に……あの苦労は一体……

と、真っ白に燃え尽きた灰になったのである。

fuuka