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私の実家は造園屋であるため、庭には色々な種類の樹木が植えられていた。
ヤマモモもそのひとつで、家の勝手口のすぐ目の前にドーンと立っており、初夏になると大量に十円玉サイズの赤黒い実をつけていた。
私は子どもの頃、この実が大好きだった。
噛んだ時のジャクっとした食感と、甘酸っぱいジューシーな果汁が飛び出すのが心地よかった。少しヤニっぽい風味があるが、これが逆に爽やかな香りを際立たせている。
家に友人を何人か招き、ヤマモモ狩りをすることも度々あった。
小学生にとっては、脚立に登って木から直接採った実を食べるというのはワクワクするものだ。
この実をよく観察してみると、赤い小さなブツブツが集合してできている。
集合体恐怖症の人は鳥肌モノだと思うが、そうでは無い人が見ると非常に可愛らしいフルーツである。イチゴやレモン柄の小物をよく見かけるが、ヤマモモを柄として使ってもオシャレに仕上がりそうだ。
ちなみに、「モモ」と名がついているが、バラ科ではなく、ヤマモモ科の樹木である。
ヤマモモと似たような実をつける、イチゴノキという樹木があるが、こちらはツツジ科である。なかなか複雑だ。
公園などに行くと、ブルーベリーくらいの小さな赤い実をつけたヤマモモを見かけるかもしれない。
ヤマモモの実は、大きさが個体によって全然違うのだ。
小さなヤマモモでも味は楽しめるが、ほとんどがタネで食べるところが非常に少ない。
おまけにタネからの肉離れが悪く、かじってもほぼ果汁しか飲むことができず、果肉はタネにくっついたまま捨てる羽目になる。
ヤマモモは、大きいものが美味しいのだ。
実家にあったヤマモモの実はサイズ感でいうと大だった。
公園で見かけるものは、中か小であることがほとんどである。
特大サイズのヤマモモでは、ピンポン玉くらいの大きさになるそうだ。
これを知った時には驚いた。
1度でいいからピンポン玉サイズのヤマモモを食べてみたいものだ。
そんな思い出の詰まったヤマモモであるが、久しぶりに実家に帰るとなんだか木自体が小さくなっているように感じた。
私が大きくなったからなのか、父が強剪定をして縮めたのかは分からないが、できればこのヤマモモだけは寿命尽きるまでここに残っていて欲しいと思う。
fuuka