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我が家のベランダには、夜になるとムクドリが羽を休めに来る。
フンの被害が尋常ではないので正直やめて欲しいのだが、こんな時代である。他に安心して休める場所がないのであろう。
我が家が安息の地に選ばれたことを誇らしく思いつつ、フンの掃除をしようとベランダに出た。
すると、星のような形をした種がフンに混じって落ちていた。
この形の種をもつ樹木を、私は知っている。が、なかなかに思い出せない。
少し考え、そういえば近所の荒地に1本、大きなセンダンが生えていることを思い出した。
そうそう、これはセンダンの種だ。
きっとムクドリたちは、あれを食べたに違いない。
センダンというのは、5〜6月頃に白や薄紫のように見える小さな花をたくさん咲かせる樹木である。その様子はとても可愛らしい。
そして秋から冬にかけて、綺麗な黄色の実を、これまたたくさんつける。
この黄色が、秋晴れの青空とよくマッチし、なかなかに写真映えするのである。
この黄色の実、鳥たちはとても美味しそうに食べているが、人や家畜が食べると数粒で死に至る。
確実に種を遠くに運んでくれそうな生き物を選んでいるというわけだ。
確信犯である。なんとも思慮深い。
私の1歳半の娘も、センダンの実で遊んでいてかじってしまいそうになったことがある。
とても美味しそうに見えるため、その気持ちはよく分かる。
しかし、センダンには毒があるということを私は知っていたため、娘が実を手に持った瞬間から注意深く見ていた。転がしたり投げたりして遊ぶ分には全然いいのだ。口に入れようとしたら止めるだけだ。
このように、植物の知識があるというのは時に大事な人の命を守る。
まあ基本外にあるものを口に入れようとは思わないだろうが、万が一の時に慌てなくて済むのは良いことだ。
カネノナルキ編では私と娘がうっかりその葉を食べてしまったが、毒性がないと知っていたからこそ慌てずに済んだのだ。
ムダだと思っていた知識は、母親になったことで少なからず役に立ったのだった。
話を冒頭に戻すが、やはりベランダのフンは病気などが気になるので、ムクドリたちには申し訳ないが、ぜひ他を当たってもらいたいものだ。
fuuka
前回のユキヤナギ編では、少しバラ科の特徴について触れた。
今回は、その補足をしようと思う。
バラ科の花は、花びらが全部で5枚あり、中心に沢山の雄しべをつける。
これは、バラ科全てに共通することだ。
しかし、バラを思い浮かべ疑問に思った方もいるであろう。
え、バラって、花びらたくさんあるじゃないか。
その通りである。
よく見かけるバラには花びらがたくさんある。
これはどういう事かというと、かつて、全てのバラは花びらが5枚だった。
しかしある日、何らかの原因により雄しべが上手く作られず、穴埋めとして本来雄しべになるはずの部分を花びらに変化させた個体が現れた。
これが八重咲きの始まりである。
(ちなみに、花びらも雄しべも雌しべも、元は葉から派生したものだ。)
突然変異で現れたその個体があまりに美しかったため、当時の人間はなんとか同じものを作りたいと考えた。
しかし、雄しべがないということは種を作ることができない。
そのため、なんとかその個体から株分けや接ぎ木を繰り返し、増やしていったのである。
つまり、バラ科で八重咲きのものは品種改良されたものだ。
起源を辿ると、原種は必ず5枚の花びらで構成されている。
原種に近づくほど、繁殖能力は高くなる。
桃とか梨とかアーモンドとか、バラ科には果樹も多く含まれ、大変お世話になっている。
これも先人たちが美味しく食べられるように品種改良を重ね、後世に残してくれたものである。
バラ科食品をいただく時は、先人に感謝の思いを馳せてみてもいいかもしれない。
fuuka
八代市で雪が積もることは滅多にないが、春になるとまるで雪景色かと思うような光景が見られることがある。
それは、このユキヤナギが花を咲かせた時である。
真っ白で小さな花が長い枝の先までびっしりと咲き誇るため、遠くから見ると本当にそこだけ雪が積もっているようだ。
ユキヤナギはバラ科の樹木である。
バラ科にはサクラやウメやイチゴ等があるが、共通の特徴としては、5枚の花びらがそれぞれ1枚ずつ独立して付いていることである。
そのため花が散る時は1枚1枚ひらひらと飛んでゆく。ユキヤナギの花が散る時、その周辺には雪が降るのだ。
花が散ったあとは、ヤナギのようにしなやかで細めの葉が残る。
これが、ユキヤナギと呼ばれる所以であるが、私はヤナギと聞くと真っ先に妖怪やお化けを思い浮かべてしまう。
しかし妖怪やお化けとは全く正反対の、明るく可愛らしいイメージの植物であるため、ガーデニング等には最適だ。丈夫で、病気にもなりにくい。
擬人化するのであれば、清楚で上品なお嬢さんといったところか。
しかし、芯の強さも持ち合わせている。
こんな子が庭先に立っていてくれたら、最高ではないか。
似たような樹木としてコデマリやシジミバナといったものがあるが、コデマリは鞠のように丸く花が集まって咲いているし、シジミバナは原種では見分けが難しいが、日本に流通しているほとんどのものは品種改良済みの八重咲きなので、ひと目で分かる。
よく見れば見分けは簡単につくので、是非観察してみて欲しい。
fuuka
マンサクといえば、冬に全ての葉を落とす落葉樹で、1月〜2月頃に黄色い花を咲かせる植物のことである。
対して、トキワマンサクは「常磐」と名のある通り、1年を通して葉がついている常緑樹であり、3月~5月頃まで花を咲かせる。
この2種類の樹木、性質は違うが花の形が非常によく似ている。
糸状で、花火のような花がポンポンとたくさん咲く。
たくさん咲くから、「万咲く」というふうに名前が付けられるのは、植物ではおなじみの話だ。
会社内のものは写真の通り白花のトキワマンサクであるが、実は私は白花のものは八代に来て初めて見た。
よく見かけるのは、ベニバナトキワマンサクという、画像2枚目のように花がピンクで葉が赤紫をしているものだ。
こちらは庭の生垣に使われていることが多いので、よく見かけることができるポピュラーなものだ。
ちなみに、白花のトキワマンサクとは別にシロバナマンサクという園芸品種もあるようだが、こちらは落葉樹でトイレブラシのような花が咲く。
先程の花火とはえらい違いである。
トキワマンサクは葉が剛毛なところに愛嬌があるため、1度じっくり観察してみることをオススメする。
fuuka
あなたには、自分の持っていた固定概念が崩れた瞬間があるだろうか。
私にはある。
ナギというとても美しい葉を持つ樹木がある。
私の地元山口県では、自生しているナギは天然記念物になっており、少し珍しい樹木だ。寺や神社等によく植えられている。
このナギ、一見すると常緑広葉樹である。
葉っぱの幅が広いものは、大体広葉樹であろう。
…と思っていた
しかし、実はこのナギ、針葉樹なのである。
これには驚いた。葉の幅が広い=広葉樹という概念が崩れた。
確かに、葉をよく見ると葉脈が真っ直ぐに伸びており、破ってみると縦にピリピリと裂ける。なるほどこれは、広葉樹では見られない特徴だ。
さらに私を驚かせたのは、ナギはマキ科の植物だということだ。
マキといえば、前回紹介したあのイヌマキの事だ。
あれの仲間とは、なんとも興味深い。
私は自分の思い込みの中で植物の分類を無意識に行っていたのだ。
ナギは幸せの木とも言うらしいが、私の間違った概念を世に晒し、恥をかく前に正せたというのは、この上ない幸運であったと言えよう。
fuuka
名前に「イヌ」がつく植物というのはたくさんあるが、これは「本来の物より劣っているもの」という意味がある。
イヌマキは、恐らくコウヤマキと比べられ、それより劣っていると判断されたのだろう。
コウヤマキはたしかに美しい。水にも強く腐りにくく、材木として優秀だ。いつか詳しく紹介したい。
だが、一般に「マキ」と言うと、このイヌマキの事を指し、庭木で最もよく見かける樹木のひとつである。
他のものと比べる必要なんてなく、イヌマキそのものが立派な庭木ではないか。
イヌマキには、オスとメスがある。
オスは対して褒められるところはないが、メスは秋頃に赤紫と緑の雪だるまのような実をつける。
緑の部分には毒性があるのだが、赤紫の部分は食べられる。ほんのり甘くて美味しいのだ。
この部分は「花托」と呼ばれ、血の巡りを良くしてくれる効果もあるらしい。
私が高校生のころ、校庭に実っていたイヌマキの実をよく食べていた。
とても食い意地の張った友人がおり、その友人と共に部活中抜け出しては食べに行っていた。
私が通っていたのは造園科のある高校だった為、色んな種類の樹木が敷地内に植えてあった。
食べられる実をつけるものは、私と友人で食い尽くした。
先生達は呆れていた。
しかし、思えばこの頃が一番樹木に対する知識量が増えていた時期だったかもしれない。
イヌマキの実が食べられるということも高校の先生に教えてもらって知ったことだ。
食べるという行動が、覚えるということに繋がっていたのだ。
イヌマキは、このように今でも私の青春時代の思い出の一部となっている。
fuuka