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日別アーカイブ: 2023年2月13日

あるバイトの気まぐれ植物紹介(へクソカズラ編)

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さて、前回の投稿からだいぶ日が経ってしまったが、気まぐれなので許してほしい。

昨日の夜、某世界冒険系番組でインドネシアの特集をしていたのだが、そこでチラッとへクソカズラの紹介がされていた。
へクソカズラなんて日本にもあるじゃないかと夫と2人ツッコミを入れつつ見ていたのだが、出演者がへクソカズラの匂いを嗅ぎ、臭い臭いと大騒ぎしているのを見て、私は首を傾げた。

たしかにへクソカズラは、葉や茎に傷を付けるとその名の通り『屁糞』のような匂いを放つ。
これはメルカプタンという成分によるものだが、人間や動物のフンやスカンクのオナラにも含まれている。どうやら虫害を防ぐ為の匂いらしい。
しかし、これが少しクセになる匂いなのだ。
とても、臭い臭いと大騒ぎするような匂いでは無いと思う。大里造園の看板犬、こまのウンコの方がよっぽど臭い。
私はへクソカズラを見つける度に、葉をちぎって匂いを嗅いでいる。
あの匂いを嗅ぐと、少し心が安らぐのだ。

それなのにへクソカズラ等という可哀想な名前を付けられたこのつる性植物は、夏になると漏斗型の大変可憐な花を咲かせる。
その花の可愛らしい姿から、サオトメカズラ(早乙女葛)とも呼ばれる程だ。 屁糞とはえらい違いである。

つる性であるが故、庭に生えてくると少々取り除くのが厄介だが、好む人もいる。
秋に丸い実を付けるのだが、この実がツヤツヤしていて美しいと、リースや生け花等に使われるのだ。
しっかり乾燥させれば、臭いと嫌われがちなあの匂いも消えてしまう。
決して、ただの嫌われ者では無いのである。

そんな美しく有用な植物であるが、やっぱりへクソカズラという名前は少々可哀想すぎる。
私個人の気持ちで言うと、できればサオトメカズラの方で世間様に広がって欲しい。
だが、屁糞のインパクトが強すぎるが故に覚えやすいのも事実であるため、植物の面白さを伝えたいという私の欲求を満たすのにはこちらの方が都合がいい。
へクソカズラには覚えやすさの代償として、この先ずっとこの名前で我慢して頂くしかないだろう。

fuuka