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あるバイトの気まぐれ樹木紹介(イスノキ編)

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八代に引っ越してきてからよく見かけるようになった樹木のひとつに、イスノキがある。
イスノキは、暖かい地方の山などに自生するようで、それなら九州でよく見かけるのも納得できる。
私の地元の山口県では、たまにしか見られなかった。

イスノキの最大の特徴は、葉に虫こぶができることである。虫こぶとは、虫の巣のようなものだ。
イスノキにはアブラムシがよくつくのだが、これが虫こぶを形成する。

アブラムシはイスノキの葉に入ると、成虫になるまでそこで過ごす。
成虫になった後はこぶを破って出ていくのだが、この時空いた穴に息を吹きかけると「ひょんっ」と笛のような音がするそうなのだ。

それで、別名が「ヒョンノキ」という。
本当に「ひょんっ」という音がするのか気になるところだが、元々虫が入っていたような所に口をつけて吹く勇気は私にはないため、真偽は不明である。

イスノキは、この虫こぶが最大の特徴であるため、虫こぶの無いものは熟練の庭師でも見分けが付きにくい。
よく、クロガネモチなどと間違えられるようである。
もっと個性を全面に出してくれても良いのに、と思う。

しかし、木材となるとイスノキは一皮剥ける。
イスノキの木材は重く硬く、その性質から家具や、木刀などにも使われる。
確かに、木刀などは簡単に折れてしまっては示しがつかない。
そこで、イスノキの硬さは重要なのだ。

適度に重さがあるというのは、振り回すのにも丁度いい。
軽い木刀だと少し不安が残る。

この事から、イスノキは木刀にするのにはとても良いのだ。
特徴が無いなどとバカにしてはいけなかった。
とても重要な役割を果たしているではないか。

イスノキは、この世に無駄な樹木など1本もないということを教えてくれたのだった。

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